地元選手らが連日熱戦を繰り広げた若松ボートの「スポーツニッポン杯GW特選競走」は29日に優勝戦が行われ、1号艇の西山貴浩(34歳=福岡)が逃げを決めて快勝。正月戦でインから敗れた悔しさを晴らし、今年初優勝を飾った。純地元の当地では7回目。
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前日は穏やかだった。その若松水面に、今日は強い追い風が吹きつけていた。気温も下がった。西山はグランプリジャンパーを着て、寒そうにしていた。空は厚い雲が覆っていた。
11レースまで終えて、インは4勝。1号艇にとってはイヤな流れだった。
ただ、やるしかなかった。「みんな(イン逃げ)が決まらないほうが、僕が逃げたら目立ちますから」。西山は奮起した。
もう負けれなかった。約4ヶ月前の正月戦の悪夢。人気を背負った1号艇で2着。カメラのフラッシュを浴びたのは後輩・仲谷颯仁だった。「正月は悔しい思いをして寝れなかった」。リベンジ戦だった。里帰りシリーズ優勝戦1号艇で2連敗はない。若松の悔しさは若松で晴らす。舞台は整っていた。
インからコンマ11のスタートを決めた西山は1マークを先マイ。握ってくる艇も差してくる艇も許さない。気迫のイン逃走で他艇を封じた。バック直線で単独先頭。あとは周回を重ねてゴール。ラストは右の拳を上げて、喜びを爆発させた。「追い潮追い風で流れたけど、うまいことレバーを合わせながら回れたと思います。めちゃくちゃホッとしました」。
ウィニングランでは、対岸に手を振りにいくなどして、スタンドの笑いを誘いつつ、ファンとともに優勝の喜びを噛みしめていた。
予選トップ通過、11戦7勝。次のレース場まで持って行きたいというような好モーターを相棒に存分に暴れ、正月戦の雪辱を果たした。
次走は徳山一般戦。5月にはSGオールスターが控える。「リズムはずっと悪かったけど、これでオールスターまで突っ走りたい。2年連続グランプリに参加させてもらっているので、3年連続行きたいですね。タイトルを持って行きたいです」。そう意気込みを語り、西山らしく笑って帰路についた。今夜は穏やかに眠れたはずだ。
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(文:吉川)
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