ルーキーたちが火花を散らした「ルーキーシリーズ第13戦植木通彦フェニックスカップ第23回スカパー!・JLC杯」は27日に優勝戦が行われた。1号艇の宮田龍馬(25歳=兵庫)が3号艇の宮之原輝紀との手に汗握るトップ争いを制して1着ゴール。2017年11月デビューで、これが待望の初優勝。レース後は目を潤ませながら勝利を喜んだ。
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ゴールライン。宮田は右の拳を力強く握ってガッツポーズ。
プロになって5年9ヶ月。初1着まで約2年かかり、デビュー後4期連続で勝率1点台に低迷するなど苦労してきた男が、ついに花開いた瞬間だった。
近年は力をつけてきて優出することも増えてきていたが、優勝戦の1号艇は今回が初だった。当然、力みはあった。
1マークは先に回ったが、続く2マークはミスでターンが流れて、実績上位の宮之原に捕まり逆転を許した。悲鳴のような声も水面際の観衆から上がった。窮地だった。だが、あきらめなかった。2周1マークで全身全霊の差しハンドルを突き刺して宮之原からトップの座を奪い返した。その後も「余裕なかった」と無我夢中で先頭を守りきってゴールラインへ飛び込んだ。
「めちゃくちゃ嬉しいです。勝つことができて良かったです。1回優勝したかったから…」
レース後、ピットでヘルメットを取ると、目からは涙がこぼれた。喜びと安堵感と反省。「テンパって、ハンドルも切れなくて。勝負弱いと思いました。失敗ばかり」。たしかにヒヤヒヤさせた。それでも「スタートはキワを狙った。(2周1マークは)あそこしかないですから」と胸をはれる部分もしっかりファンに見せての栄冠だった。「A1級に上がり、記念で活躍できるようになりたい」という目標もしっかりと宣言していた。
優勝表彰式やインタビューなど諸々終わり、最後は待ち構えていた他のレーサーたちと一緒に水神祭。
水面に飛び込んだ宮田は、嬉しそうに再び右の拳を力強く握り、若松の夜空に突き上げていた。
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(文:吉川)
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