全国から強豪が集まり連日熱戦を繰り広げた若松ボートの「SG第23回オーシャンカップ」は、16日に優勝戦が行われた。2号艇の毒島誠(34歳=群馬)が2コースからコンマ13のスタートを切ると、じわじわと伸びてインの丸岡正典をマクって1着ゴール。SG3回目の優勝を飾った。
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3日目の若松場内で大山千広(福岡)と新開航(福岡)のトークショーが行われていた。
ステージ出番前に、艇界最高峰のレースを観戦していた福岡期待の若手2人は、4号艇が道中で逆転1着を決めたシーンを見て、その思い切ったハンドルさばきに驚嘆。その凄さをステージ上で語っていた。
2人が見ていた青いカポック。毒島誠だった。
先行する1号艇を2マークで絶妙な差し技で捕まえての勝利だった。
これは大きな1着であった。初日3着3着、2日目4着で、足踏みしていた毒島。魚谷智之らが白星連取で序盤から飛ばしてメディアなどの注目を浴びる中、毒島は集団の中にいたが、この1着10点で予選得点をアップさせることに成功。その後も3着2着で予選を8位通過。
ただ、機力的には目立たない。そこを何とかしなければならなかった。
5日目。準優は3号艇。この日、キャリアボディーの交換に着手。それまで伸び足に不安があったが、この選択で、スリットから出ていくほどの足に変貌した。そして準優。3カドマクリ一撃。毒島は快勝した。
準優後に東スタンド1階で行われた公開勝利者インタビューは、遠征勢ながらも大勢のファンで盛り上がり、気持ちのいい優出となった。会場の熱は確かに凄かった。「あれは力になりました」と毒島。背中を押された。
迎えた優勝戦は2号艇。ピット離れで勢い良く飛び出して1号艇丸岡にプレッシャーを与えた。インは取れずとも、2コースからコンマ13のトップタイのスタートを切ると、じわじわじわじわと伸びていって白カポックをマクリ沈め、1マークを先制。
バック直線で、外からマクリ差してきた他の艇を振り切り、2マークトップターン。その後、後続を離していって勝負アリ。ゴールラインでは、右手を高々と若松の夜空に突き上げ、フィニッシュ。喜びを爆発させた。
「5日目の整備は当たりました。スタートは全速ですね。出て行く感じはありました。1マークは差したら後悔しか残らないと思いました。自分らしいレース出来たかな」
最終日もギリギリまで調整していた。「昨日、旋回後に暴れていた」ので、8R後にプロペラを大幅に叩く姿があった。「回った後は今日が一番良かったです」。ペラ叩きもバッチリ正解。力強い直線にくわえ、旋回もパワーアップ。
整備・調整力、そして後悔しないために選んだ渾身のマクリで、毒島が見事頂点を掴み取った。
イベントホールでの表彰式や優勝インタビューも終え、競技棟に戻ってきた毒島に若松関係者達が祝福の拍手や声をかけたり、握手したりしていた。周囲は笑顔が多かった。毒島の人柄だ。
これで賞金ランキング2位に浮上。年末のグランプリ出場濃厚。ただ、それを今は気にしない。語ることもない。「1走1走大事に。これからもいいレースをこころがけていきます」。次走は平和島GIへ。まずは目の前の一戦一戦に集中する。(吉川)
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【マクリV続く】
6月半ばから若松の優勝戦は3節連続でマクリ決着が続いていたが、今節もマクリ炸裂。この流れは次節も続くのか。それとも、インが意地を見せて復権か。次節は24日開幕。池永太、平本真之、佐々木康幸ら好メンバー参戦予定だ。
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(文:吉川)
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