若松ボートの「ポカリスエットカップ」は27日に優勝戦が行われた。好モーター52号機に乗る1号艇の廣中智紗衣(36歳=東京)がインからコンマ11のスタートを決め、1マークを先マイ。2コースから差してきた2号艇をバック直線で振り切り2マークを先頭ターン。そのままリードを守って独走ゴール。約7年半ぶり、自身2回目の久々の優勝を飾った。
===
長いトンネルだった。
芦屋での初優勝から7年以上が経っていた。だが、ここで絶好のチャンスが巡ってきた。
快パワーの52号機に乗った。予選4位通過。準優も1着で突破する快進撃。総合得点率で1位に立っており、あれよあれよと優勝戦1号艇のイスに座った。自身初のV戦1号艇でもあった。プレッシャーとの戦いにもなった。
本番。
インからコンマ11のスタートを切った廣中。1マークは先マイが膨らんだものの、3コースからマクリ差しを狙ってきた3号艇は失速。2コース・2号艇の1番差しに捕まりそうになったが、これを快速パワーのモーターでバック直線で振り切ってみせた。
続く1周2マークを先頭ターン。ここで後続を離して、首位を固め、周回を重ねて歓喜の1着ゴール。1マークは一瞬ヒヤリとしたものの、それでも結果を確かに出して、ファンの期待に応えて見せた。優勝戦1号艇で勝ったという貴重な経験を積んだ。
若松の夜空には、そんな廣中を祝福する花火が打ち上がっていた。
「(2号艇に)差されたかと思ったけど、逃げれて良かったです。嬉しい」
ウィニングランを終えて、ピットに戻ってくるとそう話した。プレッシャーから解放され、そして久々の優勝を掴み、自然と笑みがこぼれていた。帰りの足取りも軽そうだった。
1つのトンネルを抜け、また新たな場所へ向かって廣中が走り出した。
===
※この文章を他のホームページ等へ、無断転載することを禁じます。
(文:吉川)
着 | 枠 | 登番 | 名前 | タイム | 決まり手 |
---|
枠 | スリット | ST |
---|