若松ボートの「西部ボートレース記者クラブ杯 」は14日、優勝戦が行われた。1号艇の松崎祐太郎(28歳=福岡)が、インから好スタートを決め先マイ。マクりも差しも寄せ付けず逃げ切って今年初優勝を飾った。自身通算では3V。次走はGI三国周年、5月には平和島周年や丸亀周年へ出場予定だ。
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「やっぱりインコースは緊張しますね。過去2回の優勝はインじゃなかったのでそんなに緊張はしなかったけど今日は違いました」
ピットに戻ってきた松崎は汗を拭って、そう振り返った。
しかし緊張を感じさせないレース運びだった。
外枠のベテランが前付けにきても、堂々インを主張した。そこからコンマ10の好スタート。1マークはターンマークだけを見て冷静に旋回。「舟のかかりが良かった」。握ってくる艇も、差す艇も全く寄せ付けず、押し切り。対戦相手5人は全員先輩というこのレースで、圧勝劇を披露した。
今節はイン4戦全勝。若手だが、手堅い。ファンの舟券にも大きく貢献した。「イン戦得意? いえいえ、そんなことないです。毎回緊張します」と謙遜しながら話した。
松崎はあまり大きく喜びを爆発させたりはしない。「優勝戦は100点満点でいうと、80点ですね。プロペラを合わせきれなかった」。残念そうにそう話した。大満足の完全燃焼なレースでは決してなかったと言いたげだった。
今日のマイナス20点は今後の糧に。次はGI三国周年へ向かう予定。5月には平和島や丸亀のGIの出場も決まって、ビッグレースの連戦だ。今期勝率(11月1日〜4月7日)は7.04。数字が示す通り、たくましく力がついてきた。今節の若松で見せた10戦8勝という成績も、決して運だけで残したものではない。
今日の優勝が約1年4ヶ月ぶりのVだったが、 現在の松崎の腕なら、すぐに次のVを取っても何ら不思議ではないのだろう。今年は2V、あるいは3Vーー。可能性は十分だ。
若松ピットからの帰り際、休日の楽しみを聞いた。「僕はお酒はあまり飲まないほうで、休みは子供と遊んでます。今3歳です。元気がいい盛りです」。そう言うと、いつも冷静で淡々とした感じの松崎が、 父の顔をチラリとのぞかせた。今日一番、目元が緩んだような気がした。
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(文:吉川)
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