先月2000勝を達成したベテランが元気だ。若松ボートの「入江製菓杯」は11日、優勝戦が行われた。1番人気に押された1号艇の藤丸光一(49歳=福岡)がインから押し切り1着。今年2度目の優勝を飾った。自身通算では59回目。次走は唐津一般戦に出場予定。
===
ウィニングランを丁寧にゆっくりと走って、大勢のファンの声援に応えた。
「今日は平日でしょう? それでもお客さんがよく入ってたね。若い方から年配の方まで手を振ってくれていて嬉しかった」
ピットに戻ってきた藤丸は、驚きながらそう話した。頬は緩んだ。
地元で1号艇で1番人気。観客からの票を多く集めたが、その期待にきっちりと応えた。
優勝戦は枠なり。インからコンマ21のスタートだった。「これは遅かった」と藤丸。スタート順は4番手タイだった。ダッシュ5コースの竹田吉行の踏み込み(コンマ14)が良かったが、内側へ締めてくるような動きはない。その間に藤丸が艇を伸ばして1マークを先取り。「エンジンがいいから信じて回った。回り足は良かった」。インモンキーを決めると、バック直線に先頭で抜けた。2艇身ほど後ろから吉田光、赤坂俊輔らが追った。
1周2マーク、先マイする藤丸の懐を、赤坂が差しハンドルで狙ってきたが、これは届かず。体勢くずして万事休す。1マークも2マークも主導権を誰にも渡さなかった藤丸が2周目からはトップ独走。きっちりと残り4つのターンマークを回って、カクテル光線が照らす中、ゴールラインを駆け抜けていったのだった。自身通算では59回目の美酒となった。カポックを脱いだ後、「良かった、良かった」と、胸をなで下ろしながら笑みをこぼした。スタートは納得できなかったかもしれないが、それでも結果が出たので良し、である。
今年は2V目。先月、となりの芦屋で通算2000勝も達成して、リズムはいい。次は唐津一般戦へ向かう予定。熟練したハンドルさばきで格下を圧倒する場面もまた見れるだろう。
来年2月に50歳になる。
「無事故で、健康に」と言っていた。
ちなみに、若松水面での優勝は5回ということを聞くと「それは少ないねえ」と、到底満足できないといった表情だった。このベテラン、まだまだVに飢えている。次に若松に来たら、より注目だ。
===
※この文章を他のホームページ等へ、無断転載することを禁じます。
(文:吉川)
着 | 枠 | 登番 | 名前 | タイム | 決まり手 |
---|
枠 | スリット | ST |
---|