若松ボートの「西日本スポーツ杯 」は2日、優勝戦が行われた。1号艇の松村敏(32歳=福岡)がインからゼロ台のトップスタートを切って先マイ。2コースから差してきた野添貴裕をバック直線で振り切って2マークを先取り。リードを広げて独走ゴール。これで怒濤の5場所連続V達成(今年5V)となった。
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レース後、ピットに戻ってきて、ヘルメットを取る。額を流れる汗。
今年一番の暑さとなったこの日(7月2日時点)。気温とプレッシャーと焦り、そのすべてを表すかのような汗だった。
5場所連続Vがかかった一戦。「めったに出来ることではないです」と松村は思っていた。だからこそ負けたくはなかった。「プレッシャーはありました」。
のしかかる重圧。それをハネのけたい気持ちがスタートの踏み込みに表れた。インからコンマ04の電撃ショット。攻撃的Sが持ち味の松村らしい凄まじいスタートだった。
こうなればイン有利に先マイ。握ってくる艇も、差してくる艇も寄せ付けない……とはならなかった。2コースから1番差しハンドルの野添が先マイの松村に急接近。艇先が届きそうだった。「隙がないように回ったはずなんですけど……。まだちょっと出し切れてなかった」。迫る野添。焦る松村。野添のモーターはかなり仕上がっていた。
ただ、バック直線で松村のモーターが野添をじわりじわり離して、2マークを先取りすることに成功した。「調整して、感触は良かった。良い足をしていた」。野添はハイパワーだったが、松村のモーターとて、負けじとよく噴いた。優勝戦日も機力向上のため、調整に汗を流していた。これが大きかった。
2マーク先マイした後は、一気に後続との差を広げ、独走ゴールイン。5場所連続Vを成し遂げたのだった。
6月の前回若松Vのあと、帰り際に「まずは5Vを」と言っていた。SGクラシックを目指すという宣言でもあった。この、5Vという目標は、あっという間に達成した。
「今年は6Vを目標にします」
今の勢いで6つ目、さらにはその先のVも。この男ならありえるだろう。そうすれば、来年春のSG切符は、より確実なものとなる。
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(文:吉川)
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