
松井繁、湯川浩司、田中信一郎、太田和美、石野貴之ら、強豪選手が多数在籍する大阪支部。その中でもまれ、力をつけてきているのが若手の岡村仁である。今年の正月、住之江恒例の「全大阪王将戦」では見事に優勝戦進出を果たした。結果は3着で終わったものの、松井ー太田に次いでのゴールイン。将来の大阪支部を担う素質を感じさせた。
そんな岡村が、今シリーズ「GIIIモーターボート大賞トライアル」へ登場。若松のファンの前でも快走を見せた。
初日第1走目こそ展開が悪く5着スタートとなったものの、2走目には白星、3走目には大外から2着に食い込む。正月の住之江戦でも出足が良さそうだったが、今節の若松でも岡村は出足の鋭さが光っていた。
予選は3位で突破。ポールポジション1号艇で迎えた準優は、大阪の先輩・大平誉史明との接戦となったが、岡村が1着を奪取。優勝戦へと駒を進めた。
岡村の出足は日に日に良くなり、もう完全に仕上がっていた。今節ここまで白星は4勝を挙げたが、その内訳は抜き3本と差し1本。マクリ勝ちはないが、差し抜ける足、道中のターンで競り勝てる足は申し分なかった。
迎えたV戦。3号艇の岡村は3コースから発進。5号艇のベテラン・大場敏が3コースを奪うことも十分に考えられていたが、岡村は簡単にはコースを譲らなかった。「(3コースに)ねじ込ませてもらいました。起こし位置はバッチリです」。自分の意思をしっかりと通し、岡村はコンマ11の快スタートを決めた。勝負の1マーク。インから芦澤望が意地の先マイを打ってでてくる。岡村はマクリ差しだけを狙っていた。1マークに突っ込んでいったインの芦澤を見ながら、2コースの艇をマクりつつ、マクリ差しのハンドルを切る。これが何ともスムーズで、華麗で、鮮やかな“逸品の技”だった。「絶品でしたね」。本人もそう満足に振り返れるほどのスピード好旋回。3コースからのマクリ差しは、なかなか難しいものだと聞くが、それをこうも見事にやってのけるのは、天性のレースセンスを持ち合わせる岡村だからこそである。
先マイの芦澤をあっという間に突き放した岡村は首位独走。最後は頭を下げ、優勝の瞬間を味わうようにゴールラインを駆け抜けていった。タイムは1分45秒6。今節の1番時計を叩き出す快速ぶりだった。
「出足はきてたので、2マークを回ったくらいで優勝は確信しました」
彼の優勝は2010年5月ぶり。「僕は(今のところ)優勝は少ないですけど、大きいレースへ出れるように一歩一歩頑張っていきます」。その大きいレースへのステップアップという意味では、今回のトライアルを優勝した意味は大きかった。これで、約2ヵ月後の当地「GIIモーターボート大賞」への優先出場権をその手に掴み取ったからである。全国から記念覇者も大勢集まるモーターボート大賞なだけに、次回は大激戦が予想される。トライアルを制して上へ登ってきた岡村は挑戦者の立場。ならば、チャレンジャー精神で下克上を目指すのみだ。
「また3月にここに来ます!」
そう言って意気揚々と帰路についた岡村。若松水面の印象もだいぶ良くなったようなので、次回も期待したい。雪が溶け、桜舞う春の若松水面。再び、岡村が旋風を巻き起こしてみせる。
(文:吉川)
| 着 | 艇番 | 選手名 | タイム |
|---|---|---|---|
| 1 | ![]() | 岡村 仁 | 1'45"6 |
| 2 | ![]() | 芦澤 望 | 1'48"1 |
| 3 | ![]() | 渡辺 浩司 | 1'49"4 |
| 4 | ![]() | 大平 誉史明 | 1'50"4 |
| 5 | ![]() | 大場 敏 | |
| 6 | ![]() | 梶原 正 |
| 艇 | ST | 決まり手 |
|---|---|---|
![]() ![]() | .09 | |
![]() ![]() | .11 | |
![]() ![]() | .11 | まくり差し |
![]() ![]() | .16 | |
![]() ![]() | .16 | |
![]() ![]() | .18 |
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