全国から強豪が集まり連日熱戦を繰り広げた若松ボートの「読売新聞社杯GI全日本覇者決定戦開設66周年記念競走」は6日に優勝戦が行われた。1号艇の田村隆信(40歳=徳島)がインからコンマ08の鋭いスタート。マクッてきた瓜生正義を受け止め逃げ切った。GIは11回目の優勝、当地周年は初制覇。
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「もう1頂!(いっちょ)」。これを合い言葉にシーズンを戦った福岡ソフトバンクホークス。リーグ優勝は逃したものの、2年連続の日本一に輝いた。
日本シリーズの勝負が決したのが11月3日。ちょうど当地周年も1日から熱戦中。野球ファンで、若松ボートも観戦する方は、忙しい夜を過ごしただろう。
ホークスは下克上だった。球団初だったらしい。
一方、若松は、田村隆信が予選ランキング1位通過から準優を逃げ勝ち、優勝戦白カポックを着るという王道。その強さを見せつけていた。
初日ドリームこそ4着だったものの、その後は崩れることなくオール3連対の安定感だった。「行き足中心に、回り足とかレースする分はいい。直線も負けることはない」。足は万全といってよかった。
優勝戦は全艇がゼロ台を踏み込んでくるスリット合戦だった。田村はインからコンマ08で通過。
1マーク。3コースから瓜生正義がツケマイで襲ってきてヒヤリとしたものの、バック直線で瓜生の内側に田村がしっかりと残していた。
続く2マークを先に回って、瓜生との距離を離して単独先頭。そのまま首位を守りながら周回を重ね、独走ゴールとなった。
ウィニングランの後、ピットに戻ってくると両手を大きく広げてガッツポーズ。迎えてくれた同郷徳島の選手や、福岡の選手から声をかけられ、今節一番の満面の笑みを見せていた。
「とても嬉しいです。スタートは全速。いかないといけない場面でした。瓜生さんのターンは速かった。(バック直線で)艇がかかれば出られることはないと思いました。足には自信がありました」
若松周年は初制覇。
当地はSG初制覇の思い出の水面。今年7月のSGオーシャンカップでも優出を決めている。「若松は前から好きです」。
好相性水面での大きな仕事を成し遂げ、これで賞金ランキングは29位に浮上。次走は地元鳴門のGIダイヤモンドカップへ。この結果次第で年末のグランプリの扉が開くかもしれない。
先月の鳴門周年では優勝戦4着だった。次に期待がかかる。「優勝したい。しっかり走りたいです」。
気合いは十分だ。
若松GI周年の頂点は獲った。次は鳴門GIダイヤモンドカップの頂点へ。もう1頂。
賞金ランキング下位から、一気にGP入り。そんなこともこの男ならやってのけるかもしれない。
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(文:吉川)
着 | 枠 | 登番 | 名前 | タイム | 決まり手 |
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枠 | スリット | ST |
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