若松ボートの「第36回日本財団会長杯」は26日に優勝戦が行われた。1号艇の中田達也(25歳=福岡)がスピード満点のインモンキーで1マークを先制。他艇を寄せ付けず完全シャットアウト。地元の期待に応える逃走劇で今年初、自身2回目の優勝を飾った。当地では初。今年は若松で優勝をーー。そう意気込んでいた当地フレッシュルーキーが見事目標を達成した。
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若松水面はそんなに広いコースではない。だから、走っている選手とファンの距離が近い。
「日本一見えると思います。水面際で手を振ってくれるのも分かります」
今年のはじめ、当地フレッシュルーキーに選出された中田達也は少し嬉しそうに話したあと、
「今年は若松で優勝します」
そう言葉に力を込めながら、一年の目標を掲げた。若松ボートが推すこの若手の目は、間違いなくここ数年で一番燃えていた。
デビュー直後の2014年、2015年は準地元スター、2017年、2018年はフレッシュルーキーに選ばれた。若松水面を走る機会は特に多かった。準地元スター時代は結果が出ず、苦しむことはあった。それでも、だんだんと力をつけ、今年は若松で好走連発。走る度に優出するような、そんな印象を与えた。もう、いつ優勝を取ってもおかしくはない、そういう位置まで来たのが今の中田だった。
そうして迎えた今節。
初日ドリームこそ6号艇で大外6着だったものの、翌日1着で巻き返し。3日目の12Rでは田中信一郎を倒した。ポイントを加算していき、予選は3位で通過。予選終了後の一般戦でも点数を稼ぎ、準優も勝って堂々優出。
そこで中田に吉報。準優終了時点の得点率で、予選1位だった中村晃朋より得点率で上回ったため優勝戦の1号艇のイスが用意されたのだ。「流れは来てましたね」。
そしてV戦。インを取って、コンマ16スタート。スリット隊形はほぼ横並び。こうなれば中田が1マークを先取り。他艇に影すら踏ませない旋回。バック直線に抜けると、すでに後続を突き放しており独走状態。勝負アリ。あとは悠々と周回を重ねて1着ゴール。
今年最後の若松優勝戦。V目標を達成するにはこのシリーズしかなかった。ラストチャンスで見事掴み取った。
「1マーク回った感触は良かったです。仕上がってました。(今年若松Vは)自分で言った目標だったので、達成できて本当に嬉しいです」
レース後はウィニングラン。“日本一”見える水面際のファンからは大きな声援。「最高でした!」。声を弾ませた。
2018年はあとわずか。来年は「A1級になりたいです」。次の目標を掲げ、新たな1年へ向け意気込んでいる。
将来は「SGダービーを走る選手」を理想像とする25歳。それに向けて階段を1つ1つ上がっていく。
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(文:吉川)
着 | 枠 | 登番 | 名前 | タイム | 決まり手 |
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枠 | スリット | ST |
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