全国から強豪が集まり連日熱戦を繰り広げた若松ボートの「GIダイヤモンドカップ」は22日に優勝戦が行われた。荒れ水面の中、1号艇の石野貴之(37歳=大阪)がインからトップタイのスタートを切って1マークを先マイ。2コースの瓜生正義の差しを振り切り、GI通算8回目の優勝を飾った。当地のGIは初制覇。昨年のグランプリ覇者は2020年も最高のスタートを切った。
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本番出走5分前。ピット内に設置してある大きな旗は強風を受けてバタバタと音を立てていた。水面は波立ち、黒い空から冷たい雨。地元の西山貴浩が「なんや、この水面」とぼやいた。夜になって急に強くなってきた風は、東からのホーム追い風8mとなっていた。
そんな中、始まった優勝戦。天気は荒れていたが、優勝戦結果は荒れなかった。白い勝負服が、誰も前には行かせなかった。
進入は123/456。インの石野がコンマ11トップタイのタイミングでスタート。そこから1マークを先マイ。2コースの瓜生が差して肉薄してくるも、艇先は入れさせない。バックストレッチで抑える。そして2マークを先頭旋回。ここでリードを広げ、あとは首位で周回を重ねていって1着ゴール。悪いコンディションの中でも、1番人気に応え、きっちりと優勝を決めてみせた。
「すごい水面でした。1コーナーだけ、しっかり回ろうと思って。差されたと思ったんですけど、足の余裕はあった感じはします。(バックでは)大丈夫と思っていました」
相棒28号機を調整して力強く噴かせてみせた。一点、ピットアウトには一抹の不安を残したが、それでも優勝戦では問題なかった。
「足は2日目から納得していたんですけど、ピット離れだけ不安定。最後まで調整して、今日はコース主張して良かったと思います」
しっかりとインを守って、逃げて勝つ。石野は自分の仕事をやり遂げた。「若松はもともと好きな水面。GI優勝は嬉しいです」と笑みをこぼした。
風や雨に襲われようと、ダイヤモンドのような輝きがそこにあった。
次走は浜名湖GIへ向かう。
昨年のグランプリで栄冠を手にした男は、今も勢い衰えず。充実一途。「今年もグランプリを目指して、一走一走大切に走っていきたいと思います」。
GP連覇へーー。まずは今年のGI初戦を制し、最高の船出となった。
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(文:吉川)
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