若松ボートの「サッポロビールカップ」は25日に最終日を迎えた。注目の優勝戦は激しいトップ争いとなったが、2号艇の渡邉英児(45歳=静岡)が2周1マークで、山崎毅、下田哲也を豪快な握りマイで沈めて快勝。今年2回目、通算では47回目の優勝を飾った。
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レース後のウィニングラン。若松の夜空へ2度3度と高々と突きあげた右こぶしが、このレースの素晴らしい勝ちっぷり、その喜びを表していた。
何度リプレイを見ても鳥肌がたつような、そんな会心のターンだった。
2周1マーク。先マイする6号艇の山崎と、その懐へ突っ込んでいく4号艇の下田。彼らに対し、大外から猛烈な勢いで黒い勝負服が襲いかかった。渡邉だった。別格のスピードターン。迷いなき全速旋回。豪快に。強烈に。敵を叩き沈める見事なターンが決まった。バック直線に抜けると、後続に4、5艇身差をつけて颯爽と首位独走。もう対戦相手に反抗の気さえ起こさせはしない。1周1マークから2周目ホーム直線まで接戦続きだった首位争いに、ほんの1秒ほどで終止符。渡邉は最高にクールだった。
勝因は2つ。1つは完全に仕上がった出足・回り足だ。展示航走では、1番人気の1号艇の森永淳よりターンの動きが力強く見えた。その足があったこそ、2周1マークの強襲ターンも生まれたはずだ。もう1つはコース取りだろう。スタート展示では3コースを選んでいたが、本番では、伸び型の3号艇・瀬尾達也が3コースに入ったので、渡邉は4コースから発進した。これが良かった。1周1マーク、瀬尾が握っていき、インから牽制する森永と両者が外に膨らみ、差し構えの渡邉にズバリ好展開が待っていた。
これで先月の大村に続いて今年2回目の優勝。ファンは周知の実力者だけあって、今期勝率は7点をオーバー。足取りは順調そのもの。前走の常滑では優勝戦で転覆失格の憂き目にあったものの、今回の若松快勝でまたリズムは上がりそうだ。次走は住之江へ。今夏は一般戦が続く予定で、もちろんどこでも優勝候補の1人である。
的確な差し技あり、時として強烈な全速攻めもある45歳。まだまだ若々しく、ガッツポーズのウィニングランがよく似合う。
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(文:吉川)
着 | 枠 | 登番 | 名前 | タイム | 決まり手 |
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枠 | スリット | ST |
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