インにそびえ立つ山は高かった。7日間のロングランで行われた若松ボートの「マンスリーBOAT RACEカップ争奪夜王シリーズ第3戦第3回地区王決定戦」は23日に優勝戦が行われた。快パワー機を駆りシリーズを引っ張ってきた1号艇の山一鉄也(49歳=福岡)が1コースから力強く先マイ。対戦相手達を完封する鉄壁のイン逃げを決めてトップ独走。今年初優勝を飾った。
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完勝だった。
インから発進した1号艇の山一はコンマ14のトップタイのスタートだった。2コースより外の艇はコンマ22、18、21、18、14。インにそびえ立つ山を、切り崩しにかかるような攻め手はいなかった。巨大な山は、敵を寄せ付けない。
1マークをしっかりと見て、白カポックがインモンキー旋回。3コースから赤カポックが握ったが全く届かない。4コースの青カポックが差してきたが、それはもはや2番手争いのお話だった。バック直線へと首位で突き抜けていったのは、やはり断然1番人気に押される山一だった。そこでもう3艇身くらいは後続に差をつけていた。勝負アリ。あとは悠々と残り周回を走ってゴールイン。誰の水しぶきも浴びないイン完封劇で、長い長い長い7日節(中止順延も1日あった)の今シリーズを締めくくった。
レース後、「スタートは少し放りました。全速でも良かったけどね」と山一。“もうちょっといけたなぁ”といった感じで、踏み込みには関しては少し不満足な表情も見せたが、それでも、おおむね満足そうだった。「このエンジンはほんとに良かったです」と、相棒53号機を何度も褒めていた。
山一の成績を振り返ると、1,1,1,2,1,1,2,1,2,1,1着。見事にオール2連対。抜群の安定感で予選トップ通過。シリーズを引っ張り、頂点まで駆け上がった。「レース足がいい」と言う53号機の快パワーも武器にしながら、大活躍を見せた。
今節は6地区の対抗戦も行っていて、九州地区が優勝を収めたのだが、山一の稼いだポイントはとても大きかった。同じ九州の実力者・平田忠則が舟足弱く序盤から苦戦していたので、山一の活躍がなければ結果は変わっていた可能性はある。
今節の「選手代表者」として、九州地区の「ポイントゲッター」として、そして「シリーズリーダー」として、存在感を、これでもかと示しまくった山一であった。
次走は桐生の一般戦(2月1日初日)へ。そのあとは、GI九州地区選手権(2月16日初日・福岡)が控える。
12月に児島で準パーフェクトV、今回の若松でオール2連対V。4月に50歳になるが、ベテランは元気いっぱい。勢いは◎。2月も好走に期待だ。
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(文:吉川)
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