九州と山口の選手が集まって熱戦を繰り広げた若松ボートの「スポーツニッポン杯GW特選競走」は7日に優勝戦が行われた。4コースカドからスタートを切った4号艇の田頭実(50歳=福岡)が、1周1マークでマクリ差し。イン先マイの1号艇・岡崎恭裕を捕まえ、2マークを先取り。追撃してくる岡崎を抑えて1着ゴール。今年は2回目、当地では14回目の優勝を飾った。
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2.3コースの若手選手がスタートでヘコみ、スリット隊形は完全に中ヘコみだった。4コースの田頭が難なく内側に締めていく。
1周1マークは、インの岡崎と田頭による実力者一騎打ちだった。2コースの壁役が消え去り、丸裸状態の岡崎が、とにかくインモンキーで先マイに打って出た。対して、田頭が渾身のマクリ差しハンドルを繰り出す。これがブイ際スレスレに突き刺さった。
「(1号艇の)しぶきでちょっと見えなかった。ターンマークに当たるかな、という感じだった」と田頭。
危険を顧みず、見事なマクリ差しを決めた。バック直線で完全に岡崎の内側に艇を並べ、2マークを先取り。岡崎は外をブン回していくも、1艇身届かず2番手まで。
その後、2周目、3周目と先頭と2番手の差は僅差で、岡崎がターンマークごとに差し、差し、差しで田頭の懐を狙ってきたが、先頭にはミスター若松がずっと立っていた。4-1でレースは決した。
田頭は自身通算63回目、当地では14回目の優勝となった。
「もう、(岡崎は)大人げない追いかけ方。50歳の自分には厳しかったです」。レース後に、あきれたようにそう言って笑いを誘った。鋭い差し技を持つ岡崎の執念深い追走に田頭は冷や汗を流した。それでも、しっかりと先頭守ってゴールを果たした。逆転など、断じて許しはしなかった。さすがだった。負けてなるものか、という強い意地もあったはずだ。
前日の準優勝戦では1号艇で敗れて苦い思いをした。「昨日逃げれなかったのが悔しかった。今日は(4号艇で)リラックスしていた。勝てて良かった。嬉しい」。そう話すと、安堵の表情を浮かべた。
次走は蒲郡のマスターズリーグへ。今月末には大舞台SGオールスター(福岡)。6月には若松のGI周年記念に参戦する。
「いつも通り1走1走集中して頑張るだけです。若松ではエンジン出しには自信があります。準優には乗りたいです」と意気込みを語った。
今年、近況の「リズムはいいような気がしてます」とも話した。
2月にGI九州地区選手権を6号艇で優勝。これで今年は2Vになった。
50歳になろうが、まだまだ田頭実という男の走りは見応え十分だ。
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(文:吉川)
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