地元選手が連日熱戦を繰り広げた若松ボートの「日刊スポーツ杯お盆特選競走」は17日に優勝戦が行われ、3号艇の西山貴浩(31歳=福岡)がカドの3コースからマクリ一気。インの今村暢孝、2コースの瓜生正義を破り、見事優勝を飾った。これで今年5回目、当地でも5回目の優勝となった。
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「シビれたー!」
イベントホールでの表彰式や優勝インタビューを終え、競技棟に戻ってきた西山は興奮冷めやらぬ感じで叫び、出迎えた谷村啓司らとハイタッチ。快勝に嬉しそうだった。
鮮やかな一撃だった。
3号艇で出走した西山は3コースカドを選択。2号艇の今村がインを強奪、1号艇の瓜生が2コースに入っていた。
相手は瓜生に今村。西山はスロー3コースに入るよりも、ダッシュの3コースのほうが勝機があると感じた。「(3カドは)とっさに体が動きました。普通にスローからいっても勝てるわけないです」。
思い切り引っ張った西山は、そこからコンマ14全速スタート。「ダッシュからは1回も練習してなかった」。それでも決めた。想定外の位置からも。スピードに乗ったいいスタートだった。
その勢いのまま、勝負の1マークへ。「今村さんが落とした」のが見えた西山は、思い切ってマクリ強襲。スピードターンでイン先マイ態勢の今村を引き波に沈め、2コースから差し構えの瓜生も置き去り。
バック直線に先頭で抜けた赤いカポックは後続を5艇身ほど離してぶっちぎりの独走となっていた。軍配はすでにあがっていた。「舟足は今までの若松で一番」。快速の足。あとは、2番手争いを尻目に悠々と周回を重ねてゴールへ。フィニッシュラインでは、右手ガッツポーズで喜びを爆発させていた。
これで今年は5回目の優勝に到達。リズム快調に走っている。若松では5回目のVとなった。前回の優勝も、2015年のお盆シリーズだった。
次走は丸亀のSGボートレースメモリアル。その直前に純地元で優勝を飾り、これは最高の弾みとなりそう。大舞台には、若松推薦選手として出場する。
「(福岡支部には)すごい先輩、後輩がいる中、僕を選んでもらった」。いつもは冗談交じりに軽快にトークをする男だが、若松推薦でSGに出る話題になると、真剣な顔に変わる。地元若松ボートの代表としての責任と誇りがある。
イベントホールでの優勝インタビューの最後、西山は宣言した。「今年は真剣にグランプリ狙っていきます!」。会場にいた若松の熱いファンから、声援と拍手で送り出された。
賞金ランクは30位前後。まだまだこれからの面白い位置だ。
いざ丸亀SG。この夏の締めくくりに、再びシビれるレースを西山が見せる。
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(文:吉川)
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