優勝選手リスト

(令和5年5月2日)

田頭実、鉄壁イン逃走　若松通算11V!

3257 田 頭 実(福岡)

　若松ボートの「中間市行橋市競艇組合施行46周年記念競走」の優勝戦が28日に行われ、1号艇の田頭実(48歳＝福岡)が1コースから代名詞でもある鋭いスタート決めて、1マークを先マイ。差させずマクらせずの逃走劇を見せて圧勝した。2着には中岡正彦、3着には大外から善戦光った志道吉和が入線した。勝った田頭は今年3Vで、すべて若松水面。当地通算V回数は11となった。

＝　＝　＝　＝　＝　＝　＝　＝　＝　＝　＝　＝　＝　＝　＝


　1986年5月デビュー。来年、ボートレーサーになっていよいよ30年となる。そんなベテラン田頭が、今節も力走した。

　7日間節という苦しい長期戦だろうが、台風が来たり天候や湿度が不安定であろうが、モーターが前回優勝時よりだいぶ弱かろうが、そんな懸念は霧散。やっぱり若松の田頭は、V一直線に突き進んだ。

　初日から準優まで、2,1,1,2,1,2,1,1,1,1,5,1着。この光る安定感。6日目7Rでまさかの5着に敗れ、若松での連続2連対記録が29でストップしたことに本人は悔しがっていたが、それでリズムを崩すような選手ではない。

　優勝戦は進入を動いてくる艇は不在で、ゆったりとした枠なり発進。1枠の田頭はマイペースにインから。「潮の流れの影響で、起こし位置はズレていた。スタートも体が起き上がった」と、決して完ぺきなスタートではなかったようだが、きっちりトップスタート。インから後手だけは意地でも踏まぬ。それがこの男だ。「1番人気のプレッシャーはあった」と言うが、それもハネのけた。

　外の艇は誰も何も攻撃を仕掛けることは出来ず、白い勝負服が1マークに鮮やかな航跡を1番に描く。

　前日の準優まで乗り心地などに不安を抱いていて、回転を合わせるのに苦戦していた相棒モーターだったが、あきらめずV戦当日も朝から懸命に作業に汗を流した。「ペラ調整が間に合った。直前の1周タイムも良かったし、本番も乗り心地が良かった」。努力が奏功した。

　乗り心地も改善して、マクラせない差させないインモンキーを発動。1マークを回って颯爽と先頭に抜け出す。もはや敵はいなかった。独走態勢を築いてゴールイン。今年は3回目のV(すべて当地)。若松名物「ビクトリー花火」が派手に打ち上がる中の田頭のウィニングランもすっかりお馴染みとなっていた。通算では58回目のV。当地通算は11回目のVとなった。

「若松2連対記録が途切れて悔しかったけど、優勝できて良かった」と、レース後は晴れやかな表情を見せた。

　7日間のロングランで疲れた体を休め、次走は浜名湖一般へ。その後、お盆レースでは再び当地参戦する。瓜生正義などを相手に若松連覇に挑む。そのお盆レースの後は、全国各場の推薦選手が集うSGボートレースメモリアル(蒲郡)へ。「若松の関係者の皆さんに選んでもらったので、若松を背負っていく。頑張りたいと思う」と気合いを高めていた。

　さらに、秋に控えるSGダービーも、選考勝率はクリアしているので出場は濃厚な位置。メモリアルにダービーに。今年後半は、SG戦線で田頭の姿が多く見れそうである。1着獲りに徹する鋭いスタートダッシュ、闘志あふれる旋回はまだまだ健在で大観衆のスタンドを沸かしてくれそうだ。優勝の可能性もある。

　男・田頭実。ボートレーサー30年の集大成に、SGで再び大きな花火を打ち上げる――。そんな最高に格好良い未来への扉が今、もしかしたら開き始めているのかもしれない。



＝＝＝
※この文章を他のホームページ等へ、無断転載することを禁じます。

(文：吉川)