渾身のターンで初Vの扉をこじ開けたーー。若松ボートの「夜王シリーズ第4戦公営レーシングプレス杯男女W優勝戦」は17日、12Rで女子の優勝戦が行われた。大外発進の6号艇の深川麻奈美(30歳=福岡)は、1周1マークで思い切ったマクリを繰り出して逃げる1号艇に並ぶと、2マークも外から豪快に握って回って先頭奪取。握りマイ連発で、待望のデビュー初優勝を飾った。レース後には水神祭も行われ、笑みをこぼした。
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デビューして約10年半。苦労人の深川が、最高にかっこいい走りで決めた。
バック直線。最内に原田佑実。外に深川。真ん中に1艇身ほど遅れて日高逸子。
続く2マーク。深川は外から豪快に握り込んだ。「思い切り回りました」。迷いはなかった。A級の原田、日高を、まとまて飲み込み、先頭に躍り出た。2マークの観衆からはどよめきと歓声があがった。会心の一発。緑色の衝撃だった。
先頭に立った深川はその位置を守り切りゴール。待望の初優勝を、デビューした地元の若松水面で飾った。
レース後は、ウィニングランに表彰に水神祭と、バタバタと過ごしたが、常に笑みがこぼれた。多くの人に祝福された。
「夢みたいです。今はまだ実感が湧きません。今日は一番嬉しいです」
デビューしてから、苦労のほうが多かった。勝率低迷。事故もあった。6等を連続で何本も取った。「私は、ほんとどうしようもなかった」と弱音が出る時期もあった。
それが今は、確実に力はつけ、ついに1つのシリーズを制した。前期勝率は5.82で、自身最高勝率をマーク。「本当にいろんなことがありました。同期や周りの方のおかげです」。
次走は宮島へ。
自身の持ち味を尋ねると「少し握れるところですかね」と、ニューヒロインは控えめに答える。
それでも「見ている人が元気になるような走りをしていきたいと思います」と、そう誓って若松ピットから帰路についた。
夜9時を回っても、出待ちのファンの人は多数いた。
きっと深川はすでに多くの人を元気にすることのできる、そんな魅力十分なレーサーなのだ。
3月に行われる女子の祭典「GII第2回レディースオールスター」に選出された。春に大きな舞台が待っている。
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(文:吉川)
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