実力拮抗のメンバーで好バトルの多かった「ポカリスエットカップ」。その優勝戦が9日に行われ、2コースから発進した2号艇・山一鉄也(47歳=福岡)が、イン先マイが膨らむ木村光宏のミスを逃さずきっちり差し切って快勝。3月の当地戦に続く、今年2回目の美酒を味わった。
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「この舟足じゃ、あの展開しかなかっただろうね。展開が良かった」
レース後、山一はそう言って少し苦笑した。3月の当地戦では、他を寄せ付けぬ圧倒的レース運びで優勝を飾り、レース後も手応えを語ったが、今回はそれとは正反対の印象だった。
たしかに機力は準優日あたりから下降。V戦の中では弱め。威張れる足ではなかった。それでも、山一に勝利の女神は微笑んでいた。
注目の1周1マーク。インから先マイを打った1号艇の木村が外に膨らみ、2コースに構えていた山一に好展開が生まれた。俊敏な1番差しを入れる。ターンマークギリギリを突き抜ける。これで、バック直線で好位を確保。2マークをトップターンで折り返す。機力的に油断できなかったが、後続の木村と山本修一が2番手接戦で激しくやり合っており、先頭の山一はそのまま逃げやすくなった。そして独走ゴール。前日には弱気なコメントも残したが、意外にも勝利はスルリと山一の手中に収まったのだった。
先月の若松参戦時(TVQ杯)は、準優1号艇でまさかの大敗喫し苦い思いをしたが、今回はそのリベンジに成功。これで若松では通算4回目の優勝である。ウィニングランの時に打ち上がるビクトリー花火を見て「ここの花火は綺麗だねえ」と上機嫌だった。
優勝戦の勝因は展開を第一に挙げた山一だったが、初日ドリーム戦は1番人気に応えるイン戦披露で白星を飾ったし、予選はトップ通過。準優も気迫のゼロ台スタートでインから押し切るなど、A1級の実力者らしいさすがの走りっぷりを随所で見せたのも確かだ。47歳ベテラン山一、まだまだ健在である。
次は尼崎の一般戦へ。勝機を逃さない走りで、今年3度目のVを掴みに行く。
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(文:吉川)
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