若松ボートの「第22回北九州市長杯」は12日に優勝戦が行われた。2号艇の中辻崇人(39歳=福岡)が2コースからコンマ07のスタート。1マークでイン先マイする1号艇を差して捕まえ、2マークを先取り。リードを広げて独走。2017年の走り始めだった今節で優勝を飾り、幸先良い1年のスタートとなった。
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今節は7日節だった。
昨夏の若松。強風で2日連続で中止になったシリーズがあった。結局その節は打ち切りとなり、その開催日が今シリーズに1日追加されたのである。
打ち切られたその節で、幻の優勝戦1号艇に乗る予定だったのが中辻であった。好パワーを武器に、V最短の位置だった。その男が、奇しくも今シリーズにやって来た。とにかく絶好の舞台。「前回取り損ねた分、優勝したい」。中辻は燃えた。
長い長いロングランだったが集中力を切らさず、優勝戦まできっちりと勝ち上がってきた。ポールポジション1号艇は掴めなかったが、枠は2号艇。
ボートの神様のイタズラか、中辻が風に好かれるのか、優勝戦当日は、これまた強風が吹いていた。今回は打ち切るほどではなかったが、なかなかの荒れ水面となった。一時、江戸川のような水面と化していた。難しい状況だった。優勝戦時は向かい風7m。
ただ、この風は、中辻の追い風だったのかもしれない。
1周1マーク、1号艇の沢田昭宏のイン先マイが流れた。インの選手にとっても難しい荒れ水面だった。2コースから1番差しを繰り出した中辻のボートが白カポックを捕まえた。「風のおかげ。沢田選手はターンミスをしたと思います」。中辻はそう振り返る。それでも、荒れる水面でもこの男の差しハンドルは的確だった。さすがの巧者っぷりだった。
バック直線で沢田の懐に艇をねじ込ませた黒カポックは、1周2マークを先取り。ここで後続を大きく引き離して勝負アリ。颯爽とゴールラインを駆け抜けていった。
昨夏の忘れ物を回収した。
「それが出来たことが、一番嬉しいですね」
レース後、すっきりとした表情で中辻はそう語った。
さらに今年初優勝を、走り始めの今節で取り、自然と気分も良さそうだった。
昨年はV1。苦しんだ1年だった。「去年は(優勝)できないと思ってました」と弱音も出た。それもあるから、今回のVは中辻にとって嬉しい。幸先良い2017年の幕開けである。
「1年の最初に優勝をできて良かったです。年末からいい感じできてるので、この調子をキープしていきたいですね」
昨年のもやもやを払拭した福岡のテクニシャンは、晴れ晴れとした気持ちで次走の大村GIIモーターボート誕生祭へと向かう。
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(文:吉川)
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