女子レーサーが熱戦を繰り広げた若松ボートの「GIIIオールレディースJALカップ」は、19日に優勝戦が行われた。1周1マーク、2コースの2号艇・寺田千恵(48歳=岡山)がイン先マイする1号艇・川野芽唯の懐に1番差し。続く2マークで先行する川野の内側へ飛び込み、ここで両者流れて5号艇の香川素子が浮上して3艇でのトップ争いへ。2周1マークで寺田が先マイを決めて先頭に立ち、リードを守ってゴール。今年3回目の優勝を飾った。当地では6回目の優勝となった。
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2コースから発進した2号艇の寺田。1周1マークで差しハンドルを切ったが、イン先マイする1号艇の川野の逃げを捕えきれなかった。「いい感じで差せたんですけど……。モンキーの仕方ですかね。芽唯ちゃんのほうが前でしたね」。バック直線では2番手位置。先行する川野に締められた。窮屈になった寺田はボートを外へ出した。
外に出たら、そのあとは差しがほとんどである。しかし、それでは抜けないと踏んだ寺田は、内側に切り返していった。そうして、2マークを旋回体勢の川野の懐をゴツンと突いた。
川野は外に流れ、寺田も懐を空ける形になった2マーク。この展開に、今度は5号艇の香川が飛び込んできた。大混乱。スタンドの観衆からは歓声と悲鳴があがった。
ホーム直線。最内に香川。真ん中に寺田。外に川野という隊形で通過した。寺田はここでもう一度、ハンドルを内に切った。香川の内側に入り、2周1マークを先に回った。「(5号艇より)伸び返していた。足は良かったと思います」。先マイした寺田は、差してくる香川、川野をここで抑えて先頭に立った。
リードはまだ僅差で2周2マーク、3周1マークと、2番手の川野が渾身の差しハンドルで寺田に接近してきたが、ベテラン寺田はしぶとい。逆転は許さなかった。先頭を守りきり、ゴールラインを通過。今年3回目の優勝を掴み取った。
「スカッと勝てるレースではなかったんですけど」
寺田はそう語った。1周2マークの突っ込みもあり、声のトーンは低めだった。
それでも、 「今日は久々に同級生も応援に駆けつけてくれていました。勝てて良かったです」とも話した。福岡出身。元地元の若松水面で、気迫の走りで優勝をファンに見せた。
若松では6回目の優勝となった。
「いつも勝つ気持ちで頑張ります」
これからも、貪欲に1着を狙う。
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(文:吉川)
着 | 枠 | 登番 | 名前 | タイム | 決まり手 |
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枠 | スリット | ST |
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