ホーム若松で今節も力走――。若松ボートの「第15回スカパー!・JLC杯 」の優勝戦が4日に行われ、1号艇の田頭実(48歳=福岡)が1コースからコンマ06のスタート踏み込み、イン逃げ決めて独走。他を全く寄せつけない走りで白星を飾った。今年は2回目のV。若松では通算10回目(SG1V)の優勝に笑みをこぼした。次走戸田のあと、再び当地一般戦に参戦する予定(21日開幕)。連覇に期待がかかる。
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優勝トロフィーを持って写真撮影をしたミスター若松は「ここのトロフィーが一番嬉しい。可愛いけん」と言って、今まで戦場で戦っていた男とは思えないほど穏やかに笑い、目を細めた。
今回でついに当地10回目の優勝。
現在48歳。年は重ねてベテランになったが、やっぱり若松のエースは、この田頭だ。
初日から準優まで終えて10戦8勝、2着2本。圧倒的強さでシリーズをけん引、そして優勝戦の白カポックに袖を通した。
スポーツ各紙には田頭の二文字が大きく目立った。オッズも断トツ1番人気に推した。本場で、全国で、大勢の人が1枠の舟券を握った。そんな期待に、田頭がきっちりとがっちりと応える。
インからコンマ06というトップの踏み込み。「スタートは放った」らしいが、行き足強力な16号機がグイッと伸び返して、見ていて全く不安な点がなかった。そのまま1マークを先マイ。これこそ影をも踏ませぬというイン戦で、他艇は少しも田頭に近づけなかった。圧倒。
バック直線に弾むように飛び出していく。単独トップに立った1号艇の姿をカメラが映し出す。もう勝負は決まったようなものだった。あとは悠々と周回を重ねていってゴールイン。歓喜も悔しさも味わっている愛する若松水面で、大台10回目のVゴールを達成した。
レース後、カポックを脱いで第一声目は「ホッとしたぁ」だった。心の底から安堵(あんど)するように吐き出した。他者から見ればレースぶりはすごく余裕を感じるものだったが、本人の額には汗が流れ、布でそれを拭った。強くて豪快な田頭という男であっても、やはり“絶対”はない。勝ちを得るまでには、プレッシャーや緊張と戦うのだ。特にここは特別な水面。思い入れがある分、肩にも力が入っただろう。今年の正月レースで1号艇で優勝した時も、レース後は同じように心からホッとしていた。
そうやって10回の優勝を重ねてきた。若松の優勝トロフィーを持って見つめる嬉しそうな目は、他の選手が勝った時のそれとは、やはり少し違っていた。
さぁ、次は戸田一般戦、その後、今月末には再び若松一般戦に出場予定だ。初日ドリーム戦は1号艇。上手く船出を決めればまた連勝街道突入か。連覇に期待は高まる。
8月にはSGボートレースメモリアルに、若松ボート場推薦で出ることも決まった。関係者の期待を、ファンの応援を胸に大舞台へ挑む。
田頭の熱い夏が幕を開ける。
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(文:吉川)
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