若松ボートの「シャボン玉石けん杯争奪夜王シリーズ第5戦第2回春の地区王決定戦 」は21日、優勝戦が行われた。シリーズを引っ張ってきた1号艇の福来剛(34歳=東京)が、インからトップスタート決め先マイ。他を全く寄せ付けないインモンキーで逃げ切り、今年2回目のVを飾った。この日は5回目の結婚記念日。ダブルで嬉しい1日となり笑顔を弾けさせた。
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優勝戦の日が結婚記念日と重なった。若松に来る前、夫人に「いい結果を残してくる」と力強く誓ってきていた。
「有言実行できたことが嬉しいです」
ピットに戻ってきたウィナーは、愛妻との約束を果たし嬉しそうに笑みをこぼした。
記念日に最高のプレゼントを渡すために、夫は力走した。序盤から白星を重ね、戦線を引っ張った。「前検から伸びに手応えがありました。エンジンがよく応えてくれました」。タッグを組んだ47号機と共に、対戦相手達を連日撃破していった。堂々の予選1位突破、準優も勝って1号艇で優出。 V戦前の公開インタビューでは、「仕上がっている」ときっぱり言い切った。その表情は自信に満ち溢れていた。
今節の仕上げである優勝戦、高速インモンキーで締めくくる。1コースからコンマ12のトップスタート。福来の前に伸びてくる選手などいない。「あとは自分のターンをすれば勝てると確信を持っていけました」。不安など微塵もなかった。1マークを真っ先に旋回。誰にも差させない、マクらせない。圧巻のイン逃げを披露した。「今年、江戸川でイン逃げで優勝できたので、今回もその時のイメージをもって臨めました」。たくましく話した。
若松では初めてのV、そしてウィニンググラン。「嬉しかったです! 花火があがって、涙が出そうになっちゃいました」。そう言って笑った。甘いマスクにこの素直な性格。ファンが多いのもうなずける選手である。これまで若松水面は登場回数が少なく実績はイマイチだったが、これで当地の観衆にも「強い福来」を印象付ける結果になった。
次走は徳山へ。その後、津のGIに出場予定。「今のところ、3月で2Vといい流れできているので、この先もしっかりと成績を残して、来年の大きな舞台に繋げたいです」。そう話すと、視線は力強く前を向いた。
帰り際、 「ボート場をでたら、一番に(夫人に)優勝報告をします」と言っていた福来。ボートレーサーにとって最高の贈り物を妻へ渡した夜となった。
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(文:吉川)
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