若松の勝利の女神、ついに微笑むーー。若松ボートの「中間市行橋市競艇組合施行49周年記念競走」は、30日に優勝戦が行われた。5号艇の佐々木康幸(44歳=静岡)が5コースからマクリ差しで快勝。当地は6回目の優出で初優勝。これで全場制覇へ王手となり、残すは戸田のみだ。
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ピットで優勝戦を見ていた選手達の中から、一人が声をあげた。「マクッた?!」。1マーク。3コースの3号艇・川崎智幸がマクリ狙って握って攻めた。
しかしこのマクリは決まらなかった。ただ、川崎の攻めで、波乱の幕が開いた。インの池永太が川崎に応戦。両者膨んだ。
この展開に、5コースの佐々木が差しハンドル。空いたスペースに飛び込んだ。
バック直線。真ん中に佐々木。外に池永。最内からは愛知の新鋭・吉田裕平が差し上がってきていた。好パワーで今節勢いもある吉田 。でも、佐々木は簡単に入れさせない。直線の伸び足で、この若手を振り切って、2マークを先マイ。
外から差し返しを狙っていた池永は、吉田に張られ、流れ、差し返せず。ここで、2マーク先マイの佐々木が2、3艇身のリードを得て単独先頭へ。あとは先頭を守って周回を重ねて1着ゴール。
2着は池永を振り切った吉田。池永は3着だった。
外枠のワンツー決着で、2連単も3連単も万舟券となった。
1マークは「展開がついてましたね」と佐々木。謙遜していたが、優勝は運だけではない。展開を捕らえる腕はさすが。それに舟足も、この大一番にきて、力が増していた。最終日も暑い中、試運転に出て、チルト角度とペラを合わせる調整を行っていた成果があった。「足は良くなってましたね。チルトマイナスだと足は平凡だったので、チルトは0でいってみました。ターン回りも悪くなかった。バックは6番(吉田)より伸びてくれました」。バック直線の伸び比べ勝利の裏には、佐々木のチルト選択の正解があった。
当地は初優勝。若松の勝利の女神がついに微笑んだ。実力者だが、若松ではなかなか結果は出なかった。レース前、「なんかね、難しいんですよね、ここ」と苦笑して話していたが、今回は見事勝利。通算6回目の優出で難所突破となった。「念願の若松でやっと勝てました」。そう言って嬉しそうだった。言葉には気持ちが本当によく込もっていた。
これで23場目の優勝となり、全場制覇へついに王手。残すは戸田のみ。「戸田を走る時は、意識して走りたいと思います」。そう話して、帰路へとついていた。
現在、佐々木に戸田の出場予定はないが、斡旋が決まれば、今まで以上に要注目となりそうだ。
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(文:吉川)
着 | 枠 | 登番 | 名前 | タイム | 決まり手 |
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枠 | スリット | ST |
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